オリジナルなビジネスの長所と短所

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 前回は皆がやっている事業に参入するメリットとデメリットについて解説した。今回は誰もやっていない領域で起業することの是非について解説する。

未開拓の市場には魅力がいっぱい
 誰もやっていない領域でビジネスを起こすことができれば以下のような多大なメリットを享受できる。

 ・競争相手がいないので価格設定が思いのまま
 ・サービス内容などをすべて自社の都合で決定できる
 ・他社が参入するまでの時間差を使ってシェアを拡大できる

 ビジネスにおいて価格競争はもっともシビアなことの一つである。価格を下げれば利益が得られないが、価格を下げないと他社との差別化ができない。行くも帰るも地獄というわけである。

 価格を自分達の好きなように設定して、サービス内容も自分達で決めることができればどんなにいいだろう。多くの実業家が思い描くことである。

 まったく新しい領域のことを俗にブルーオーシャンと呼ぶが、まさに青い海のごとくそこには遮るものが何もない。このような分野で起業することができれば理想的な事業展開が可能になるだろう。

 だがそう簡単にコトが運ぶわけはない。皆が目を皿のようにしてビジネスチャンスを狙っている。誰もやっていないということは、やはり本当にニーズがない可能性が高いのだ。価格競争を避ける以前に、お客さんそのものが存在しないという最悪の事態にもなりかねない。

数多くチャレンジすることが重要だが
 一方、それこそがビジネスチャンスであるというのも事実だ。誰もやっていないとニーズがないのではないか?と多くの人が考え、本当はニーズがあるのに、誰も参入しないということはしばしば起こり得る。「なぜこんなサービスがないのか?」「こんな商品があったらいいのに」というものには積極的に取り組む価値があるだろう。

 問題となるのは資金である。当たるか当たらないか分からないものに全リソースを投入することはできないし、そうすべきではない。だがいくつものプロジェクトにトライするとなると、それなりの資金が必要になってくる。

 筆者もまったく新しいビジネスを立ち上げた経験があるが、自分では「これだ!」と思っても、実際にやってみるとうまくいかないことが多い。感覚的には20個くらい新しいことにチャレンジして1つか2つモノになればラッキーといったところが相場だ。

 では資金を使わずにたくさんの新規事業にチャレンジする方法はないのか?この問いに対しては、プリント基板の試作からスタートし巨大企業に成長したキョウデン創立者の橋本浩氏のケースが参考になる。

ハッタリ広告から世界的メーカーに飛躍したキョウデン
 橋本氏はキョウデン創業当初、知人からプリント基板の試作に対して、顧客起業は金に糸目をつけないという話を聞いた。

 製品開発でしのぎを削るメーカーにとっては、短期間で製品を試作してくれる業者があれば、どれだけ高くても仕事を発注したいのだという。だがプリント基板の試作は少数ロットなので、多数の従業員を抱え規模を追及したい多くのプリント基板メーカーにとっては、やりたくない仕事であり、皆が手を出していなかったという。

 橋本氏はすぐにこのビジネスを始めたかったが、プリント基板を製造する機器は高額である。成功するか分からないものに大金を投じることはできない。
 そこで橋本氏は知恵を絞り、プリント基板の業界雑誌に広告を出してみた。「プリント基板試作します。24時間で納品。代金は○○万円」。この時点で橋本氏は製造装置を持っていない。ただのハッタリである。
 
 ところで広告が掲載されるやいなや、問い合わせの電話が鳴り止まない。イケる!と判断した橋本氏は、製造装置のメーカーに即効で電話をかけ、大至急1台納品して欲しいと頼んだ。しかも自分は製造装置を触ったこともないので、機械を運転する作業員も一緒に派遣して欲しいとムチャクチャな要求を付け加えた。

 こうして世界規模に拡大するプリント基板製造メーカーがスタートした。ちなみにキョウデンという会社名は「今日から電機屋」の略である。

 準備もしていないのに広告を出すのは少々ルール違反だが、まったく新しいビジネスを始めるためにはこのくらい腹が据わっていなければダメだ。
 知恵と工夫で新しい領域を開拓できれば、その後の成功は約束されたようなものである。なにせ競合はどこにもいないのだから。

【本サイト主宰者 加谷珪一のブログ】
評論家 加谷珪一のわかりやすい「お金」と「経済」と「ビジネス」の話

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